こんにちは。TI の Connect シリーズ のビデオにようこそ。 今日はコネクテッド カー、つまりネットワーク 接続型自動車について話し合います。 私は Nadeem Zaki です。 Sub-1GHz 製品ラインのマーケティング マネージャを務めています。 今日は、優れたメンバーが パネルに参加しています。 Neil Seshan は、マーケティングと アプリケーション マネージャを務めており、 TI のトランシーバ製品ラインを 担当しています。 私の左にいる Evan Wakefield は アプリケーション マネージャであり、 TI の車載部門のうちワイヤレス接続 チームに所属しています。 私の右にいる Logan Cummins は アプリケーション マネージャであり、TI の FPD-Link チームに所属しています。 Neil、今日はコネクテッド カーについて話し合います。 コネクテッド カーという 用語を耳にしたときに、 あなたはどのような全体像を想像しますか? はい、私にとって コネクテッド カーとは、 すべての ECU つまり電子制御 ユニットがデータを受信し、解釈を 適切な時間枠で行った後、 そのデータを送信し、 安全かつ快適な 環境を 乗員に提供するものです。 また、私がデータという用語を 口にするとき、私の意図では 自動車内に入ってくる データに加え、 自動車の周りに存在している データも指しています。 これらは基本的に、コネクテッド カーに関する私の全体像 です。 また、これらはおそらく、 要因として 自動運転の促進に 寄与するものです。 はい。それらは自動運転の 推進要因であり、 運転支援や、 より多くの情報の共有を 自動車全体で実現します。 Evan、どのような種類の問題を 私たちはワイヤレスの観点で 解決しようとしているのでしょうか? コネクテッド カーについては、 どのように考えますか? もちろんです。いい質問ですね。 自動車のインテリジェント化が 進むにつれて、 いっそう注目が集まるのは、 ユーザーの使いやすさの改善を それらの自動車で実現することです。 また、ワイヤレス 側には、 それを実現するための 多くの機会があります。 現在、多くの人が キーフォブを使用しています。 これらのキーフォブは、UHF や LF の テクノロジーをベースにしています。 ただし、業界で よく知られているように、 これらは最も安全性の高い ソリューションというわけではありません。 そのため、現在多くの 注目が集まっているのは、 より安全で、信頼性が高く、 親しみやすいユーザー 環境を、自動車と、また自動車の 使用者の観点で実現することです。 重要な注目対象の 1 つは、実際に スマートフォン キー、言い換えると カー アクセスという機能を スマートフォンで実現することです。 各ユーザーは、Bluetooth Low Energy を使用して、自分の自動車を関連付けます。 現時点では UW、つまりウルトラ ワイドバンドや超広帯域を使用し、 また、未来は、チャネル サウンディング を使用することができます。 後者の新機能を採用するのは、 未来の Bluetooth コア 仕様です。 これら 2 つのテクノロジーが 実現するのは、 次世代の 接続機能と、 特に、カー アクセスに関連する ユーザー環境です。 わかりました。非常に優れた アイデアだと思います。単純に、 自分のスマートフォンを使用するだけで 面倒なく自動車に乗り降りできます。 ところで、どのようなトレンドを 目にしていますか? 有線の分野はどうですか、Logan? はい、全体としては、 多数の ECU が存在しています。 既に説明があったとおりです。 私の観点では、より多くの ディスプレイや、より多くの カメラが自動車全体に搭載されています。 自動車内にある ディスプレイの数は 現在の新車で 増加が続いているほか、 サイズも増大し 続けており、 必要な分解能も、同様に 増加を続けています。 全体的な 帯域幅要件は 時間の経過とともに増加しています。 つまり、情報送信に必要な 帯域幅はかなり増加したわけですね。 自動車のある部分から 他の部分への送信です。 カメラの解像度上昇や センサ数の増加が関係している、と。 Neil、私たちは同じ アーキテクチャを使用して、 これらのデータ量すべてを転送しているのでしょうか? それとも何かアーキテクチャの 再構築が生じるのでしょうか? アーキテクチャにも 多くの変化があります。 従来、自動車が 採用していたのはドメイン 制御アーキテクチャでした。 つまり、各 ECU が 取り扱っていたのは、 すべての窓、またはすべての座席でした。 一方、現在のゾーン アーキテクチャは、 自動車をさまざまな ゾーンに分割する方法であり、 集中型コンピュータとの 通信を実施します。 TI のお客様が現時点で注目する 必要があるのは、そのような アーキテクチャがどのようなものになるか、 また、どのようなデバイスを 使用するのか、 どのような配線を使用する ことになるのか、という点です。 なぜなら、全般的に ドメイン コントローラ アーキテクチャからゾーン コントローラへの移行が 発生した理由は、 開発者の希望が ハーネスを減らし、配線全体の 重量を低減することだったからです。 これらは自動車全体に張り巡らされています。 確かに、新しい 課題が発生し、 TI のお客様がそれらに 直面することになるのは、 ドメイン制御から ゾーン制御 アーキテクチャに移行する時点です。 非常に興味深いお話です。 つまり、全面的な変更が アーキテクチャ内で発生し、 データや配線を コネクテッド カーの内部で 取り扱う方法が変わる、と。 今度は Logan に 話を聞きます。 このような変化が原因で、 設計者や顧客が 解決を迫られる新しい種類の問題が登場しますか? そうですね。有線の側で 最大の課題になりそうなのは、 ケーブルの重量、 ケーブルの長さ、 さらに電気機械的な いくつかの問題です。 1 本のケーブルは ポイント A から ポイント B への接続を行います。 つまり、有線環境では、 主に EMC、つまり電磁互換性の問題です。 電磁波の種類は電動型と放射型のどちらか、 また、自動車全体は どのような影響を これらの電磁波から受けるのでしょうか。 わかりました。有線側は少し 事情が異なるということですね。 それでは、これまでに同様の 変化を目にしたことはありますか? Evan、ワイヤレスではどうですか? はい、もちろんです。 顧客の観点で考えると、 3 つの懸念事項があります。 1 つは信頼性です。 既出の概念に似ています。 有線側では、電気機械式 コネクタに関連する話です。 特に、また実質的に BMS、 つまりバッテリ管理システムです。 時間をかけてワイヤレス BMS を 考える価値があります。 そうすれば、いくつかの課題の 実質的な緩和に役立ちます。 信頼性関連の課題です。 ただし、信頼性の 話をするときは、 いくつかの複雑な使用事例を 考えることになります。 1 つはカー アクセス、もう 1 つは タイヤ空気圧監視システムです。 私たちが希望する のは、高品質の ソフトウェアと高品質の ハードウェアを確実に提供し、 要件を確実に満たす ことです。そうすれば、 10 年、15 年、20 年持続する アプリケーションを製作し、 あらゆる状況で動作 させることができます。 過酷な条件もこれに該当します。 私たちは他のトピックも 頻繁に目にします。サイバー セキュリティは、最近 よくある質問です。 TI には、自社のソフトウェア 開発向けのプロセスがあり、 ISO 20143 に適合しています。 加えて、私たちは、低消費電力 特性も重視しています。 私たちのカー アクセス システムは、自動車が 電源オフのときでも動作します。 もちろん、この動作を実現 するうえで必要なのは、 車載バッテリ自体から 電力を引き出さないことです。 誰も望まないのは、 自動車のところまで来たときの バッテリ不足気味、または 完全なバッテリ上がりです。 これらは確実に、重要な よくある質問の 1 つであり、 お客様からの意見を耳にします。 わかりました。 注目しているのは、 低消費電力と、 セキュリティ上のいくつかの懸念に 対処しようとすることですね。 また、1 つの規格について お話がありましたが、 自動車の分野で 非常に重要なのは、 さまざまな規格に 適合することですね。 Logan、有線側の観点では、 どのような種類の規格が 支配的な 立場として、 TI の新規ソリューションに影響を及ぼしますか? はい。FPD-Link は マルチプロトコル アグリゲータです。 この機能が集約するのは、 さまざまな入出力 プロトコルです。 この場合、HDMI、DisplayPort、 MIPI D-PHY、MIPI C-PHY、OLDI、さらに多くのプロトコルです。 基本的に、他のプロトコルを FPD-Link に変換し、逆に FPD-Link から他の 規格への変換も行い、 リモート側の必要に 合わせます。 リモートとは、自動車の別のゾーンです。 したがって、固有の性質として、規格または プロトコルの変換を実行できます。 その際に、シリアライザと デシリアライザの各デバイスを経由します。 いいですね。多様な規格に ほぼ対応でき、 それらの間で相互変換を 支援するわけですね。 もちろんです。 Neil、あなたが取り組んでいる 有線製品はどうですか? それらの製品は、いくつかの規格と どのように連動していますか? 私たちのチームは、CAN、 LIN、SBC に取り組んでいます。 これまでに、CAN 規格は 進化を遂げてきました。 以前は、標準的な CAN を使用していました。 その後、CAN FD になりました。 現在は、CAN FD SIC を使用しています。 TI は、多様な デバイスを提供しており、 これらのどの規格にも適合できます。 また、TI は継続的に デバイスを製作しており、 これらの規格を満たしているほか、 特定の状況では規格を上回っています。 Logan が既に 説明したのは、電磁波や EMC の要件でした。 私たちは、TI のすべての部品が EMC 規格に適合することを確認しています。 世界各地の OEM つまり自動車メーカーも このことを確認しています。これらの各部品は OEM から承認を受けています。 そのため、ティア 1 つまり 1 次下請け各社は これらのどのデバイスも設計に使用できます。 TI はこれらの規格に適合する 製品を提供しています。 これらに加えて、TI には 絶縁デバイスもあります。 HV つまりハイブリッド 車に注目すると、 絶縁型デバイスは 通信機能を支援し、 低電圧側と高電圧側の間での 通信が実現可能になります。 そのため、CAN デバイスに 絶縁デバイスを統合すると、 超小型のソリューションを 実現できます。お客様は これらの製品をハイブリッド車 で使用することができます。 つまり、OEM 各社の要件を 満たしているわけですね。 あなたは絶縁の要件に 対応するために、 担当の製品ラインを活用しています。 あなたは小型化を推進している、と。 何か具体的な製品を 挙げてくれますか? これまでに説明の あった条件に役立ち、 いわば複数の要件の ベン図をすべて満たすものです。 はい、もちろんです。 私が言及するのは、 革新的な製品の 1 つであり、 既に提供しているものです。 仮に今から数年前に、私が 3.3V CAN に注目したとすると、 規格は存在していませんでした。 現在も規格は 存在していません。 すべて 5V の CAN です。 その理由は、3.3V を実現するには 障壁があったからです。 1 つは相互運用性です。 同じシステム内で、 3V の CAN と 5V の CAN が 互いに会話できるでしょうか? 2 番目は EMC です。 3V CAN は、システムの EMC 要件を 満たすことができますか? TI には該当する部品があります。 私たちは、この部品を CAN PlugFest で展示しました。 今年、つまり 2023 年 4 月開催の展示会です。 事実、私たちはいくつかの 標準化団体と協力し、 3.3V 規格の批准を 進めようとしています。 つまり、これは TI が 最先端の 革新を進めようとしている 1 つの分野です。 私たちは規格を満たし、 あるいはそれを上回ることに加え、 いくつかの標準化 団体と協力して 市場で新しい規格を 打ち立てようとしています。 それは TI 独自の 特長の 1 つです。 TI は多くの 点に関与し、 多くの標準化団体に 協力しています。 他の分野でも、私たちは 同様の戦略を採用しています。 TI がほかに深く関与しているのは、 Bluetooth Special Interest Group です。特に 注目しているのは、 多数の新機能であり、 それらは既に Bluetooth コア仕様に 導入されています。既に 導入済みである現在の世代と、 今後の世代の両方に当てはまります。 私が強調するのは、 これらの機能の 1 つである チャネル サウンディングです。 チャネル サウンディングは 1 つの新しい好機をもたらし、 高い信頼性、 高い安全性に加え、 高精度の距離測定を実現できるうえ、 使用するのは単一の Bluetooth 無線のみです。 したがって、他のデバイスを使用する 必要はなくなります。到達距離や セキュリティに関して、開発中 システムを上回る必要はないからです。 お客様は実際に、開発中の Bluetooth 無線を使用できます。 前提は、その無線が今後の 規格をサポートしており、 多数のカー アクセスに 対応できることです。 その場合、現時点で いっそうのシンプル化、低コスト化、 低消費電力化を実現できます。 TI の非常に 優れている点は、 さまざまな点でつながりを 確保していることです。 対象は、SIG つまり 特別利益団体や、標準化 団体であり、それらの 団体は多様な 業界で活動しています。 はい。TI がお客様と市場のニーズにどの ように対応しているか、という優れた観点でした。 TI は各種規格の 要件に対応し、 それらの規格を活用して 部品を製作するほか、 お客様や市場に影響を及ぼす 方法で、限界をさらに押し上げ、 革新を進めることができます。 Logan、あなたの グループはどうですか? 最新や最高の要素は何ですか ? はい、TI の FPD-Link 製品ラインアップは シリアライザとデシリアライザで構成されており、 超高解像度 ビデオの送信を 自動車内のあるポイントから 他のポイント宛に実行します。 カメラからセンサ アグリゲータ、 またはディスプレイから 自動車のメイン コンピュータ への送信などが可能です。 その結果、クロックを埋め込む形で、 1 組の配線でこの送信を実施し、 低コストかつ軽量の ケーブルを使用することができます。 いいですね。 私は今回の機会が得られた ことに感謝しています。 皆さんと話し合いをして、詳細を 把握することができました。 コネクテッド カーの理解を深め、 TI のいくつかのチームがどのように 市場を理解し、よくできた 革新的な製品が登場して 市場のニーズを満たすことを理解できました。 まとめの意見はどのような ものですか、Neil? 私たちは今回、革新に ついて話し合いました。 私たちはさまざまな製品に ついて話してきましたが、 私が強調 したいのは、 パッケージにも革新が 生じている、という点です。 TI が提供しているのは、最小 クラスのパッケージに封止した CAN デバイスです。多様なパッケージがあります。 私たちはこの点で、業界初の 成果を達成しました。 それとは対照的な 方向性で、 TI は非常に幅の広いパッケージも 提供しており、沿面距離は 14mm、 空間距離も同じ値です。この パッケージは絶縁デバイス向けです。 このパッケージの採用で、 800V のバッテリや、1,000V の バッテリ、さらにそれ以上の電圧に対応できます。 TI の幅広い製品 ラインアップには、サイズや デバイスの革新 などの特長があり、 ドメイン アーキテクチャ向けの 設計をする場合も、 ゾーン アーキテクチャの場合も対応できます。 非常に興味深い 意見です、Neil。 私たちは革新を 進めています。 既に話し合ったとおりです。 加えて、このパッケージという要素も TI のようなメーカー 各社が活用し、 要件を満たすのに役立ちます。 市場の要件や、コネクテッド カーが該当します。 今度はワイヤレス側に 注目します。Evan、 まとめの意見はありますか? はい、もちろんです。 この市場で、そう私たちが 取り組んでいるのは、 いくつかの異なる市場です。 そのうちの 1 つはタイヤ空気圧 監視システム市場、つまり TPMS です。 もう 1 つはカー アクセス市場です。 それぞれ、 要件は異なります。 多くの場合、TPMS が必要とするのは 性能低下をできるだけ小さくし、 使用するフラッシュや RAM を少なく することです。カー アクセス市場で 必要なのは、より高い 堅牢性と、より高い プロセッサの クロック速度、 より多くのフラッシュ、より多くの RAM、 いくつかの追加ペリフェラルの実装です。 ここで非常に重要なのは、 TI の製品ラインアップが 非常に 幅広く、 種類が異なるこれらの使用事例 の需要に対応できることです。 TI には CC2340R5 があります。 この R5 は専用設計を採用しており、 キーフォブや、タイヤ空気圧 監視システムのような アプリケーションに最適です。 私たちが取り組むカー アクセス 側の機能に加えて、 いくつかのプロセッサもあります。 これらのプロセッサは、 中国の CCC 形式の標準化使用事例、 または ICCE の要件に対応できます。 これらは中国向けです。 TI には、高い対応能力があります。 多様な市場、 多様なニーズ、 多様な課題に対応できます。 その結果、TI は自動車の TPMS や、 カー アクセス、さらに車載の ワイヤレス PLE の使用事例でも存在感を発揮しています。 いいですね。車への 乗り降りに加えて、 4 本のタイヤすべてで適切な 空気圧を保つことも重要です。 Logan、あなたのまとめの 意見はどうですか? 今日の話し合いの締めくくりです。 そこまで大したものでもありません。 私のまとめの意見は、私が 魅力を感じたのはコネクテッド カーが 向かっている方向であり、 ディスプレイやカメラに関係していることです。 私たちがこれから目にすることになる 新しいテクノロジーのいくつかは、 自動車分野で サポートの役割を果たす 運転支援、 自動運転、または それらの機能の競争力を 高めるディスプレイです。あるいは 私たちがこれまでに慣れ親しんできたのと 似たような機能です。スマートフォンや、 TV などです。このような テクノロジーのいくつかは 最終的にコネクテッド カー にも追いつこうとしています。 FPD-Link は、このリンク つまり連携の重要な要素です。 はい。確かに、その分野は 次の革新のフロンティアになりそうです。 身の回りの世界に、より多くの テクノロジーや接続機能を追加する流れは、 自動車の分野にも波及するでしょう。 皆さんに感謝します。 今日は参加していただき、ありがとうございました。 また、今日はパネル ディスカッション形式で コネクテッド カーについて説明を してくれたことに感謝します。 視聴者の皆様、次回の Connect シリーズでまたお会いしましょう。